平均寿命が年々延び、人生80年時代だったのも今や昔。ライフスタイルも変わり、すでに人生100年時代と言われています。天命を知っても人生まだ半分。健康的に長生きするためには毎日知らず知らずのうちに行っている習慣が大切になっています。世界中における実験や研究結果から長寿に関するものを8つご紹介します。何気なく行っていることでも、長生きや逆に寿命を縮めているものもあるかもしれません。これから訪れる新長寿時代に向けて自分の生活を見直してみる良い機会になると思います。
ドラマと長寿の関係
以前はテレビ放送しかなく、一週間に1時間ほどのお楽しみだったドラマも、現在ではSODが普及してきて、ドラマやアニメを見ているとつい次の話が気になってしまいますよね。定額で見られることもありつい第一話から長時間に渡って一気見してしまう人も多いのではないでしょうか。
海外では日本よりのSODの文化が普及しているためかなり以前から研究が進められています。ボストン大学の研究では、ドラマなどのフィクションを連続・反復して視聴することにより現実への認識がドラマ世界に近づいてしまうという結果が分かっています。こういったミーン・シンドロームと呼ばれる実際の社会にも深刻な危険があると思い込んでしまったり、依存やうつ傾向になることもあります。
カリフォルニア大学の研究では3時間半以上の習慣的なイッキ見は、暴飲暴食につながったり、記憶面での認知能力の低下の可能性を指摘しています。共感力を高めるなど良い面もあるので、適度な時間で食事をきちんと取ったりして生活サイクルを崩さないことを心がける必要があります。
物事の捉え方と長寿の関係
笑って損したものはなし、のことわざ通り、いつも笑顔でいれば幸運が巡ってきます。明るい思考は心だけでなく、体にも直結しているからです。
スタンフォード大学で行われた研究によると、「自分は他人より不健康だ」と思ってる人ほど早く亡くなる確率が高いという結果が出ています。考え方や気持ちは健康に直接被害を与えるため、ただ運動するよりも前向きな気持ちを持って運動に取り組む方が結果が出るということです。
自分が健康的だと気づくとさらに健康的な生活を心がけるようになり、体重や体脂肪、血圧なども下がったという結果が出ています。逆に自分の生活が健康的でない、というネガティブな思考になると、ストレスや恐怖、憂鬱な気持ちになりメンタル面でも不健康になってしまいます。
騒音と寿命の関係
交通機関が整っていたり、夜遅くまで店が開いているなど便利な都会暮らし。何か必要な時にすぐ買い物できるのは大きなメリットですよね。
しかしそんな都会暮らしのデメリットは騒音や空気の汚さ、混雑などでしょうか。いつも慌ただしい暮らしではリラックスできないかもしれません。ロンドン大学公衆衛生学部の研究によると、騒音が激しい地域ではそうでない地域と比べると5%以上も心臓発作を起こす割合が高くなることがわかりました。
また騒音により高血圧やストレスの増加など循環器疾患の要因になりうることも判明。ハーバード大学が行った研究によると、緑豊かな自然に囲まれて暮らすことは、都会で暮らすよりも12%死亡率が低くなることが判明しました。田舎に引っ越ししなくとも、周りに緑を増やすことによって精神衛生に安定をもたらすほか、死亡リスクも低下させると言っています。
通勤にかかる移動時間と長寿の関係
西イングランド大学の調査によると、通勤時間が短い人の方が生活の満足度が高いということがわかりました。通勤時間が長い人の方が、時間を無駄にしているとネガティブな気持ちになるだけでなく、同じ姿勢でいることからくる運動不足やエコノミー症候群の原因になるからです。
通勤時間が伸びれば伸びるほど、勤労意欲をなくしたりメンタルヘルスが低下し、20分通勤時間が伸びることは給料が19%も下がるのと同じだけの影響があるといいます。簡単に職場を変えたり家の引っ越しをするのは難しい話ですが、新生活を始める人は参考にしてもいいかもしれません。
退職時期と長寿の関係
定年が65歳、70歳という会社も増えてきましたが、逆に早期退職する人もいます。以前の55歳定年制だった時代は平均寿命が65歳。今の方がぐんと退職後の老後生活が伸びているのです。それに加え同じ年齢でも昔よりも皆若くて元気ですよね。
フランスの国立保健医学研究機構によると、60歳で定年退職した人は65歳で退職した人に比べ認知症にかかる確率が15%も高いそうです。社会との繋がりややりがい、達成感など仕事がもたらす恩恵は多いのですね。脳を健康に保つには働き続けることだという結論が出ています。
子どもがいる方が寿命が伸びる?
子供を持たないカップルや、おひとりさまも増えている今日この頃。結婚生活や子供がいるいないは寿命に関係あるのでしょうか?
まず、既婚者と独身者では既婚者の方が8年以上も平均寿命が長いことが国立社会保障・人口問題研究所の研究により分かっています。パートナーがいることで、食生活や生活のリズムが整い、健康に過ごせるんですね。
イギリスの保健疫学専門誌に掲載されたスウェーデンの研究論文によると、60歳時の平均余命で子供が一人以上いる人の方が男性で2年、女性で1.5年長生きすると発表されました。子供がいることで生活習慣や食生活が正しいものになるほか、老後の面倒を子供に見てもらえるからだということです。
睡眠と長寿の関係
睡眠時間が短いと健康に良くないことは皆さんも実体験として感じたことがありますよね?そして意外な事実ですが長い睡眠もあまり健康に良くはないことがわかっています。大切なのは睡眠の質というわけです。
1980年代にアメリカで行われた調査では最も死亡率が低かったのは6時間半から7時間半の睡眠をした人たちでした。しかし目を引くのは7時間半以上の睡眠時間をとっていた人たちで、6時間半から7時間半睡眠の人たちよりも20%も死亡率が高かったのです。
とは言っても睡眠時間は人それぞれ。自分自身が快適だと思える睡眠時間でリラックスするのが良いとされています。質の良い睡眠は昼間の覚醒にもつながっていますので、自分にあった睡眠時間を知るためにもノートに記録してみるのがお勧めです。
食生活と寿命の関係
世界の疫病負担研究機関によると、毎年1100万人以上が質の悪い食生活が原因で寿命よりも早く亡くなっていると発表されました。一番の原因は塩分の過剰摂取。塩分が多くなると血圧が高くなり、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患に繋がるのが原因です。
日本も醤油や味噌など塩を多く使った調味料を使いますが、心疾患から守ってくれる野菜や果物を多く摂る習慣があることから、世界的な長寿国になっているそうです。偏った食事ではなくバランスよく様々な食材を使うことが健康で長生きする秘訣のようですね。塩分はきちんと摂取すれば新陳代謝を上げ体内の有害物を外に出す効果もあるため、正しく摂取することを心がけましょう。